めちゃくちゃ短くてすいません。
でもこうして微妙に自分を追い込んでいかないと中々書き上げられないんです。
情けない限りです。
とりあえず、続きからどうぞ
『決して完璧ではないけれど』2
「さて! そろそろ休憩にしましょうか!」
休憩所として開放されている小屋の前で、涼宮ハルヒが宣言し、ようやく一息つくことになった。
山の中にあるために落ち葉や何やらで汚れている小屋――と言っても壁はなく、天井と座る場所だけがある簡易休息所と言えるものだが――を古泉一樹と彼が率先して掃除して、綺麗にしてくれる。
「どうぞ、涼宮さん、朝比奈さん」
「長門。もう座って大丈夫だぞ」
軽く礼を言いながら、楽しそうに座る涼宮ハルヒ。早速荷物の中から地図を取り出し、現在どのあたりまできたのか確認している。
わたしと朝比奈みくるにはそんな余裕はもちろんなく、ほとんど崩れるようにして座りこむ。
二人して呼吸を整えていると、わたしたちの前にそれぞれコップが差し出される。
「どうぞ。朝比奈さん」
「す、すいません。ありがとうございます」
「これ飲め、長門」
古泉一樹からお茶を受け取った朝比奈みくるは、慌ててお礼を言った。
わたしも彼を見上げて、言う。
「…………ありがとう」
「気にすんな」
彼はそれだけ言うと、地図を広げている涼宮ハルヒに近づいていった。
楽しそうに地図を指し示す涼宮ハルヒに、いかにも適当な生返事を返している。にこにこと楽しそうに聴いている古泉一樹とはかなり態度が違った。
わたしがその様子を見ながら彼に渡されたコップのお茶をゆっくり飲んでいると――隣から何やら手が伸びてきた。
驚いてそちらに目をやる。
すると、朝比奈みくるがわたしに何か差し出していた。
「えっと……長門さん、よかったらどうぞ」
差し出されていた手を見ると、飴玉らしきものがその手の上に乗っていた。
とても綺麗な色をした、飴玉。
突然だったのでどうしたらいいのかわからず、固まってしまう。
すると朝比奈みくるはどう感じたのか、慌てた様子で手を引っ込めた。
「す、すいません、迷惑でしたか……?」
違う。
そうじゃない。
意思を伝えようと、首を横に振る。
「迷惑、じゃない…………もらう」
自分から手を伸ばして、朝比奈みくるの手の上にあった飴玉を取った。
朝比奈みくるは一瞬驚いたような顔をした。
けど、すぐにほっとしたような笑顔を浮かべる。
「そうですか」
なんとか誤解されずに済んだみたいだ。
わたしはほっと一息を吐く。
どうやらわたしは誤解されやすいようだから、気をつけるようにしたいと思っている。
その決意が、少しだけ達成できたような気がして、安心した。
「良かったな、長門」
心の中を読まれたような言葉がかけられて、驚いた。
目線を向けると、彼が優しげな笑みを浮かべてわたしを見ている。
彼はわかっていたようだ。
自分の思考が理解されていた、という喜びと気恥かしさでどうしたらいいのかわからなくなる。
顔を俯かせることしか出来なかった。
それから暫くして、
「さあ! そろそろ出発するわよ! あと半分くらいで目的の広場につくから、頑張りなさい!!」
そんな涼宮ハルヒの号令がかかり、わたしたちは再びハイキングコースを登り始める。
3に続く
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